能登の復旧・復興は次の段階へ―住宅・道路・関係人口の進捗を公表

能登の海と地域の住宅、道路、住民と地域外の支援者を描いた復旧復興の政策ニュース画像
目次

要点3つ

  • 国土交通省は2026年10月15日、能登半島地震からの復旧・復興について、2026年9月末時点の進捗と今後の見通しを公表しました。
  • 七尾市・穴水町では計2地区64戸の災害公営住宅が完成し、順次入居を開始。国道249号沿岸部では逢坂トンネルを活用した一般交通の2車線通行が確保されました。
  • インフラ復旧に加え、石川県の関係人口ポータルには1,400人超が登録。二地域居住者を復興・まちづくりへつなぐ「能登モデル」の構築も支援されています。

概要

国土交通省の資料は、復興まちづくり、住まい、上下水道、道路、河川・土砂災害、港湾、観光、地域交通、液状化対策、二地域居住などを横断して進捗を整理しています。輪島朝市周辺では土地区画整理や道路工事が進み、一部の宅地で住宅・店舗の建築工事が進んでいます。

住まいでは、10市町が整備を予定する災害公営住宅3,061戸について、全戸分の用地確保にめどが立ちました。七尾市と穴水町では計2地区64戸が完成し、順次入居が始まっています。道路では、2026年9月18日に逢坂トンネルを使った一般交通の2車線通行を確保。国道249号沿岸部の権限代行区間約53kmは、用地買収や大型構造物の施工などが順調に進んだ場合、2029年春までの本復旧完了を予定しています。

地域交通は奥能登を除き発災前のサービス水準におおむね回復し、能登4市5町などで構成する広域協議会が、鉄道の持続性や交通空白の解消を含む再構築を進めています。関係人口・二地域居住では、石川県のポータル「いしかわのWa!」が1,400人を超える登録者を生み、珠洲市の滞在拠点デザインコンテストには133作品の応募がありました。

地方創生への意味

復旧が応急対応から恒久的な住まい、道路、地域交通、観光・商業の再生へ移るにつれ、地域の将来像を同時に描くことが重要になります。住宅や店舗を再建しても、移動手段、働く場、医療・買い物、地域コミュニティが持続しなければ暮らしの再建にはつながりません。各分野の工程を共有し、住民が帰還・再建の判断をしやすくすること自体が復興政策の基盤です。

また、関係人口や二地域居住は、単なる交流イベントではなく、復興を担う人材、住まいの活用、地域事業への参加をつなぐ仕組みとして位置付けられています。被災地の受入負担に配慮しながら、地域外の人が継続的に関われる役割と滞在環境を整えることが、長期的な担い手確保につながります。

自治体・地域事業者への示唆

  • 分野別工程を一枚につなぐ:住宅、道路、上下水道、交通、商業、観光の進捗を共通の時系列で示し、住民や事業者の再建判断を支えます。
  • 条件付きの見通しを明確にする:完成予定だけでなく、用地取得、合意形成、施工、人材確保などの前提条件も併記します。
  • 地域交通を復旧前提から再設計する:鉄道・バス・タクシー・デマンド交通を広域生活圏で組み合わせ、仮設住宅や高齢者の移動需要も継続的に把握します。
  • 関係人口を具体的な役割へつなぐ:登録者数だけで評価せず、住まい、仕事、地域活動、事業承継、復興プロジェクトへの参加まで追跡します。

一次資料

国土交通省「令和6年能登半島地震からの復旧・復興状況と今後の見通し(令和8年9月末時点)」
復旧・復興状況と今後の見通し 本体資料(PDF)
国土交通省「令和6年能登半島地震における被害と対応」
発表日:2026年10月15日
発表主体:国土交通省

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