自治体の「国に確認します」を短くできる?―AI共通サービス実証に50~100団体を募集

自治体と国の情報のつながりを象徴的に描いたコンセプトビジュアル。実在の地域・システム画面ではありません。

たとえば自治体の担当者が、住民から聞かれた制度の扱いを国に確認するとします。必要な資料を探し、照会内容を整理し、回答を待ってから説明する――その途中で時間がかかることもあるでしょう。デジタル庁は、こうした国への問い合わせ・照会を支援するAI機能を自治体で試す参加募集を始めます。自分の地域の役所では、何を調べる時間が最も長いのでしょうか。

目次

要点3つ

  • デジタル庁は、自治体職員による政府機関への問い合わせ・照会事務の円滑化・省力化を目的に、国・地方AI共通サービスの実証を行います。
  • データの検索・整理・分析を行う生成AI機能「自治体版バイバイン」を試験的に提供し、有用性、利便性、課題を検証します。実用化や全国展開が決まった段階ではありません。
  • 参加募集は都道府県と市区町村から50~100団体程度。応募は2026年10月26日16時頃に開始予定で、11月13日まで。実証期間は11月24日から2027年2月10日までです。

概要――「答えを出す」前の調べる仕事に注目

デジタル庁が対象とするのは、自治体職員が政府機関へ行う問い合わせ・照会です。参加自治体には、データを検索し、整理し、分析できる生成AI機能「自治体版バイバイン」を試験的に提供します。今回の目的は、使いやすさや有用性だけでなく、課題を見つけ、今後の実用化・展開の検討材料を得ることです。AIが国の正式回答を代行する、または自治体の判断を自動で確定するという発表ではありません。

募集規模は50~100団体程度で、同じ自治体から複数部署が参加することもできます。応募フォームは10月26日16時頃から利用可能となる予定。締切は11月13日で、実証は11月24日から翌年2月10日までと案内されています。オンラインの募集説明会は10月26日と28日に予定されています。日程や応募条件は変更される可能性があるため、参加を考える自治体は公式ページを確認してください。

地方創生への意味――自分の地域に置き換えると

ここからは協会の解釈です。担当者が少ない自治体ほど、国の制度を調べる時間と、住民・事業者に分かりやすく説明する時間の両立が難しい場合があります。資料を探す作業が短くなるなら、地域での相談や現場確認に時間を振り向けられる可能性があります。ただし、その効果はまだ実証されていません。検索結果の根拠が示せるか、古い情報を見分けられるか、誤りを誰が直すかを検証することが欠かせません。

たとえば農業、交通、防災など、国の制度と地域の実務が接する分野では、照会の前に確認する資料が多くなりがちです。自治体が試すなら、単に「AIを使った回数」ではなく、照会一件あたりの調査時間、根拠確認に要する時間、修正件数を測ると、自地域に役立つかを判断しやすくなります。最終的な説明と判断は人が担う前提で、役割を整理すべきだと考えます。

自治体・地域事業者が確認したい行動

  • 照会の現状を測る:各課で国への照会件数、資料を探す時間、回答までの待ち時間、再照会の件数を一か月分ほど記録し、試す業務を絞る。
  • 根拠と情報管理を決める:AIが示した内容を職員がどの一次資料で確かめるか、入力してよい情報の範囲、誤りがあった際の訂正担当を決める。
  • 応募条件を確認する:参加を検討する都道府県・市区町村は、10月26日開始予定の応募フォーム、11月13日の締切、10月26日・28日の説明会を公式ページで確認する。
  • 試験結果を比較する:実証参加時には、従来の照会と比べて調査時間、根拠確認の負担、修正率がどう変わるかを測り、住民向け説明に使う前の確認工程を残す。

一次資料

デジタル庁「国・地方AI共通サービス実証事業」の参加自治体募集
発表日:2026年10月20日
発表主体:デジタル庁

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