たとえば、週末に車で出かけるとき、出発時刻だけでなく、どの出口を何時に通るかで料金が変わるとしたら。安い時間帯を選びたい人も、混雑を避けたい人も、予定の立て方が少し変わります。西湘バイパスの一つの出口で、そんな料金の社会実験が始まります。自分の地域の週末の道は、どの時間に車が集中しているでしょうか。
要点3つ
- 国土交通省は2026年10月30日、西湘バイパスの石橋料金所出口(熱海・湯河原方面)で、ETC時間帯別料金の社会実験を11月28日から始めると発表しました。土日・祝日の混雑緩和が目的で、全国では2事例目です。
- 対象は2026年11月28日~2027年11月28日の土日・祝日、ETC無線通信で通る軽自動車等・普通車です。普通車の石橋出口料金は、通過時刻が0時~6時59分なら110円、7時~11時59分なら210円、12時~23時59分なら150円です。
- 変わるのは石橋料金所の出口方面の料金で、西湘バイパス全線や入口に同じ設定が広がるわけではありません。現金車と中型・大型・特大車は対象外。ほかの料金所を通る場合は別途料金がかかります。
概要――「いつ通るか」に価格差をつける
国交省によると、西湘バイパスでは土日・祝日の特定の時間帯に車が集中し、一部区間で混雑が発生しています。そこで国交省と中日本高速道路は、石橋料金所出口の熱海・湯河原方面に限り、時間帯でETC料金を変える実験を行います。東京湾アクアラインに続く、全国2事例目の試みです。
普通車では、朝7時から正午前までの出口料金210円と、深夜から朝7時前までの110円に100円の差がつきます。これは旅全体の通行料金ではなく石橋料金所出口で適用される料金です。国府津IC料金所や橘本線料金所を通る場合は、別に料金がかかります。軽自動車等の料金や割引との関係も含め、走行前に公式の詳細資料で確認してください。
社会実験の期間は2027年11月28日までの土日・祝日で、振替休日や通常の休日割引が適用されない日も含まれます。実験開始後の交通状況を踏まえ、期間中に要件が変更される場合もあります。発表は混雑緩和を目的とするもので、渋滞が必ず減ると証明した結果ではありません。
地方創生への意味――料金の工夫は、地域の一日を変えるか
ここからは協会の解釈です。週末の渋滞は、観光客の移動時間だけでなく、地域住民の外出、店舗への配送、事業者の働き方にも関わります。時間帯による料金差が交通の集中をどれほど分散できるかは、実際の交通量や所要時間を見なければ分かりません。道路だけでなく、目的地の営業時間や公共交通の選択肢も合わせて考えることが、地域の暮らしと来訪を両立させる視点になります。
自分の地域に置き換えると
たとえば、週末に混む観光地や幹線道路がある地域では、車が集中する時間と、住民が通院・買い物・仕事で使う時間が重なるかを調べられます。これは仮の検討例で、西湘バイパス周辺の生活交通への影響を示すものではありません。料金を動かすことだけが対策ではなく、駐車場の案内、公共交通、滞在時間の分散など、地域で選べる手段を比べる材料にしたいところです。
自治体・地域事業者が確認したい行動
- 対象を正確に案内する:観光・道路担当と事業者は、対象日、石橋出口の方向、対象車種、ETC利用の条件を案内に明記し、「西湘バイパス全体の料金が変わる」と説明しない。
- 比較する数字を決める:道路管理者や自治体の交通担当は、土日・祝日の時間帯別交通量、石橋出口付近の所要時間、周辺道路への流入を同じ季節・条件で見て、実験前後を比較する。変化を料金だけの効果と即断しない。
- 移動の予定に反映する:観光・宿泊・飲食事業者は、来訪者に出口通過時刻で普通車料金が110円・210円・150円と変わること、別料金所の料金は別であることを公式資料に沿って伝え、営業時間や予約時刻の案内を点検する。
- 変更を追う:事業期間中は国交省と中日本高速道路の最新案内を確認し、適用条件や割引の扱いが変わったら、ウェブサイトや現地の案内を更新する。
一次資料
国土交通省「西湘バイパスにおけるETC時間帯別料金の社会実験」
国土交通省・中日本高速道路「報道発表資料・別紙(料金表・注意事項)」
発表日:2026年10月30日
発表主体:国土交通省

