地元の川や斜面の課題を研究へ―国交省が河川・砂防の提案を募集

川の土砂や流れを現場で調べる人々を描いた概念イラスト。実在の河川や調査ではありません

たとえば、雨のたびに川の流れや土砂の動きが変わる場所があるとします。現場の担当者が困りごとを知っていても、測り方や将来の変化を予測する方法が足りなければ、対策の判断は難しくなります。そんな「地域の問い」を研究者と行政が一緒に調べる機会があります。あなたの地域で、まだ解き方が定まっていない水辺の課題は何でしょうか。

目次

要点3つ

  • 国土交通省は2026年10月23日、令和9年度に始める河川砂防技術研究開発の提案募集を開始しました。産学官の連携で水管理・国土保全の技術課題を解くことが目的です。
  • 新規公募の対象は河川技術・流域管理、砂防の地域課題、河川生態、海岸の地域課題の4部門・分野。分野ごとに指定型・提案型や応募条件が異なります。砂防技術分野の一部は継続課題のみで、新規募集と混同できません。
  • 新規提案の締切は2026年12月4日(金)17時。応募にはe-Radを使い、機関・研究者の事前登録が必要です。要領は登録手続きに2週間以上の余裕を求めています。

概要――研究室と現場をつなぐ公募

この公募は、河川や砂防などの技術政策課題について、研究者と行政担当者が連携して調査・研究を進める枠組みです。たとえば今回の指定型には、河道での土砂の動きの予測、砂防施設の機能確保に向けた流域内の土砂移動の評価、河川生態と流れ・河床の関係を扱う課題があります。河川・砂防・海岸には、地域や流域の課題を提案する型もあります。

応募対象として、国交省の発表は大学、大学付属試験研究機関、一般社団・財団法人、民間企業等を挙げています。住民や自治体がそのまま補助金を申請する制度ではなく、分野別の資格と研究体制を確認する必要があります。採択は有識者による審査を経て決まり、今回の公募開始は研究成果や工事の実施決定を意味しません。

地方創生への意味――現場の知恵を、再現できる知識に

ここからは協会の解釈です。河川や斜面の管理に関わる判断が、担当者の経験だけに閉じると、人口減少や人手不足の中で知識を引き継ぎにくくなります。地域の現場で何が起き、どの数字や方法があれば判断できるのかを研究課題として明確にすることは、自治体や管理者の実務を支える可能性があります。住民にとっての安全、事業者にとっての活動の継続、地域の水辺環境にも関わります。ただし、研究成果がいつ・どこで使えるかは採択後の検証次第です。

自分の地域に置き換えると

たとえば特定の川で土砂の動きが管理上の課題なら、必要なのは「何となく危ない」という言い方だけではありません。どの区間で、何を、どの頻度で測り、どの判断に使いたいかを河川管理者や研究者と整理することが出発点です。これは仮の考え方であり、実在の地域に新たな危険があると示すものではありません。

自治体・地域事業者が確認したい行動

  • 課題を具体化:河川・砂防・海岸の担当者は、場所、管理上の判断、既存観測データ、未解決の技術的な問いを一枚に整理します。
  • 相手と分野を選ぶ:地域の研究機関や企業は、管理者と現地で何を検証するかを相談し、国交省の公募ページで指定型・提案型、応募資格、費用の扱いを照合します。
  • 締切から逆算:応募を考える研究者は、2026年12月4日17時の締切から逆算し、e-Radの機関・研究者登録と提出書類を早めに確認します。要領は登録に2週間以上の余裕を求めています。
  • 成果の使い道を考える:採択前から、研究で得た予測や評価方法をどの管理判断に使うか、検証に必要な観測値と成果の共有先を明確にします。

一次資料

国土交通省「河川砂防技術研究開発公募により産学官の連携で技術研究開発を促進」
河川砂防技術研究開発公募の公式ページ
令和9年度公募実施要領・新規課題(PDF)
発表日:2026年10月23日
発表主体:国土交通省

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