結論:関係人口施策のROIは「参加人数×継続率÷事業費」で可視化でき、単発集客より継続接点を設計した施策が高ROIを示す傾向があります。特に食体験を軸にしたガストロノミー型イベントは継続率が高く、費用対効果に優れる事例が確認されています。本稿では総務省の関係人口創出事業費データと参加者継続率調査(協会実施)をもとに、規模別32事例を比較します。
目次
ROIの算出式と評価軸
ROIは単純な参加者数ではなく「継続性」「出口設計」「実装難易度」「費用対効果」の4軸で評価します。
- 継続性:翌年度以降も関与が続く参加者割合
- 出口設計:移住・企業連携等の具体的成果への接続
- 実装難易度:既存体制での実行可能性
- 費用対効果:事業費に対する継続人数の比率
規模別ROI傾向
総務省データ(事業費中央値)と継続率調査を突き合わせると、規模による傾向差が見られます。
- 小規模自治体(人口5万人未満):事業費は低いが継続率にばらつきが大きい
- 中規模自治体(5〜20万人):体験型施策でROIが安定しやすい
- 大規模自治体(20万人以上):事業費が大きく、出口設計の有無でROIが二極化
高ROIに共通する3要素
32事例の比較から、継続率が高い施策には共通点があります。
- 体験の質:一流シェフによる地域食材を活用したガストロノミーイベントなど、記憶に残る体験が再訪・継続意欲を高める
- 継続接点の設計:アンケートやコミュニティ運営で関係を可視化し、単発で終わらせない
- 発信力の活用:出版PRやインフルエンサーとの協業により、参加者自身が発信者となり関係人口の連鎖を生む
低ROIに陥る自治体の特徴
逆に低ROI傾向の自治体には以下の共通点があります。
- 単発イベントのみで継続接点がない
- 継続率を測定しておらず効果検証ができない
- 出口(移住・企業連携)の設計が事業計画に含まれていない
自団体のROIを診断する方法
まずは自団体の事業費と参加者継続率を算出式に当てはめ、現状のROIを把握することが出発点です。評価軸に基づく診断により、どの要素が不足しているか特定できます。自団体の施策ROIを具体的に診断したい自治体・企業担当者は、当協会の相談窓口にて現状データをもとにした診断・施策設計のご相談が可能です。

