自分の街を、立体の模型として画面に映してみる。建物や地形が見えるだけで終わるなら、その模型は少しもったいないかもしれません。都市のデータを更新し、必要な場面で使い続けるには何が要るのか。自分の地域なら、どんな課題を確かめる道具にできるでしょうか。
要点3つ
- 国土交通省のProject PLATEAUは、2025年度末までに329都市の3D都市モデルを整備し、ユースケース開発は100件を超えたと公表しました。
- 一方で、モデルの整備・更新コスト、利用ニーズに合う品質、社会での実装拡大が課題です。2027年度に向けて10件の募集テーマへの意見を募ります。
- 募集期間は2026年10月20日から11月13日まで。企業、大学、研究機関、団体など実施主体になりうる組織が対象です。意見を出しても事業化や採択が決まるわけではありません。
概要――「つくる」から「使い続ける」へ
PLATEAUは、都市の建物や地形などを3D都市モデルとして整備し、オープンデータ化や活用を進める国土交通省のプロジェクトです。今回の発表によると、整備した都市は2025年度末で329都市、ユースケース開発は100件を超えました。ただし、数字が増えれば自動的に地域の課題が解決するわけではありません。モデルを維持・更新する費用、使う目的に見合ったデータ品質、サービスとして根づかせることが次の論点です。
国土交通省は、先の情報提供依頼(RFI#1)に寄せられた案などを参考に10件の募集テーマを設け、施策の範囲や技術的な実現性について追加の意見を求めています。2027年度の取組検討に使う情報収集であり、募集テーマすべての実施や、回答した組織の採択を約束する公募ではありません。提案内容が後に事業となる場合は、別途公募などを行う予定としています。
地方創生への意味――自分の地域に置き換えると
ここからは協会の解釈です。3Dの街は見栄えのよい成果物にもなりますが、本当に問われるのは、住民や現場の課題を把握するために使え、変化する街に合わせて更新できるかどうかです。たとえば、地域の空間を検討する担当者が何を判断したいのかを先に決めれば、必要なデータの範囲や細かさも考えやすくなります。逆に、使い道が曖昧なまま高精細なモデルだけを求めると、費用に見合う利用につながらない可能性があります。
自治体にとっては、まちづくりや防災などの部局でデータをどう共有するかが論点になります。地域事業者や大学にとっては、モデルを用いたサービスの実現性を具体的に示す機会です。ただし、今回のRFIは実施決定ではありません。住民生活への効果も、使い方や検証結果を見ずに断定することはできません。
自治体・地域事業者が確認したい行動
- 使う問いを一つ決める:都市計画、防災などの担当課で、どの判断に3Dモデルが役立つか、現在の資料では何が分からないかを書き出す。
- 維持費を見積もる:対象区域、必要な精度、更新頻度、担当者と年間費用を整理する。整備済みモデルがある場合は、最終更新時期と利用実績も確認する。
- 利用者を確かめる:担当部局、地域事業者、大学などが実際に必要とする情報と使い方を聞き、モデル品質が目的に合うかを照合する。
- 応募条件を読む:意見提供を考える組織は、公式の実施要領と10件の募集テーマを確認し、11月13日までの提出方法と必要事項を確認する。RFIを採択申請と取り違えない。
一次資料
国土交通省「Project PLATEAUに関する意見募集」(2027年度向けRFI#2)
発表日:2026年10月20日
発表主体:国土交通省

