要点3つ
- 国土交通省は2026年10月16日、自治体などが歩行空間と施設のバリアフリーデータを整備・更新するためのガイドラインと、全国共通のデータ整備仕様を策定しました。
- 対象には歩道の段差情報のほか、バリアフリートイレ、対応エレベーター、車椅子使用者用駐車施設、授乳室・おむつ交換台、出入口の段差・スロープなどが含まれます。
- 自治体ごとのばらばらな形式をそろえ、地域を越えたデータ連携、段差を避けるルート案内、施設検索などの移動支援サービスにつなげる狙いです。
概要
新しい「歩行空間における移動支援サービスの取組に関するガイドライン」は、自治体などの担当者向けに、データ整備・更新の流れ、庁内外の体制と役割分担、整備範囲と品質の優先順位、既存施策との連携方法を整理しています。高齢者、車椅子利用者、ベビーカー利用者などが安心して移動できる環境づくりを、オープンデータとデジタルサービスの両面から支える考え方です。
同時に策定された「バリアフリー施設等データ整備仕様」は、施設とバリアフリー設備を中心とする簡素な構成で、名称や位置、設備の有無、設備位置・機能、写真、利用時間などを共通ルールで扱います。CSV、XLSX、JSONなどで公開される既存データを横断的・広域的に利用しやすくすることが想定されています。
今回の発表はデータ整備のガイドラインと仕様の策定であり、各自治体に一律の整備を義務付けるものでも、個別のアプリ提供を決定するものでもありません。地域課題や利用目的に応じて、対象範囲と更新方法を設計する必要があります。
地方創生への意味
移動しやすさは、高齢者や障害のある人、子育て世帯が地域で暮らし続けるための基盤です。観光客にとっても、駅から観光施設までの段差、利用できるトイレ、エレベーター、休憩場所などを事前に確認できれば、訪問先の選択肢が広がります。
共通仕様でデータを整えることで、一つの自治体だけでは開発しにくい広域案内サービスや民間アプリにも活用しやすくなります。道路、福祉、子育て、観光、施設管理、情報政策の各部門が連携し、現場情報を継続更新できる仕組みを作ることが重要です。
自治体・地域事業者への示唆
- 利用場面から優先順位を決める:通院、買い物、通学、観光など、誰のどの移動を支えるかを定め、必要な経路と施設から着手します。
- 庁内データを棚卸しする:道路、公共施設、福祉、観光、子育て部門が持つ位置・設備・写真・利用時間の情報を確認します。
- 更新責任を明確にする:施設改修、休館、設備故障などの変更を誰が、いつ、どの形式で反映するかを決めます。
- 当事者と検証する:車椅子利用者、視覚障害者、子育て世帯、市民団体、交通・観光事業者とともにデータの不足や使いやすさを確認します。
一次資料
国土交通省「バリアフリーデータ整備を全国で推進」
報道発表資料(PDF)
ガイドライン概要(PDF)
データ整備仕様概要(PDF)
仕様・ガイドライン掲載ページ
発表日:2026年10月16日
発表主体:国土交通省

