全国初、スクールバスを公共ライドシェアに―相模原市の地域交通再構築計画を認定

中山間地域で小型バスに乗る住民と運行を支えるスタッフを描いた政策ニュース画像
目次

要点3つ

  • 国土交通省は2026年10月16日、同日施行された改正地域交通法に基づき、相模原市の「自動車地域旅客運送サービス再構築実施計画」を全国で初めて認定しました。
  • 相模原市は教育委員会が管理するスクールバス車両の空き時間を使い、中山間地域で住民を有償輸送する公共ライドシェアを10月19日から運行します。
  • 自治体が計画を作り、運送主体を選び、交通事業者や施設送迎の担い手から車両・運転・運行管理などの協力を得る新制度の初案件です。

概要

改正された地域公共交通活性化再生法は、運転者不足や路線廃止で生じる「交通空白」に対し、地域に点在する車両、人材、運行管理などの輸送資源を自治体主導で組み合わせる「自動車地域旅客運送サービス再構築事業」を創設しました。国土交通省によると、交通空白は全国で約3,000に及びます。

全国初の認定を受けた相模原市の計画では、緑区の小渕、日連、牧野、澤井、佐野川地区を対象に、スクールバスを使わない時間帯に公共ライドシェアを運行します。区間は「和田―藤野駅」と「奥牧野―やまなみ温泉―藤野駅」で、まず平日早朝に1便を運行し、土休日は2026年12月中旬からの実施を予定しています。

相模原市西部の中山間地域では、運転者不足を背景に民間バス11路線が2027年3月末までに廃止される予定です。市はコミュニティバスの運行エリア拡大などに加え、教育委員会の車両、藤野地区公共ライドシェア運行協議会、交通事業者YM交通の協力を組み合わせ、移動手段の確保を図ります。事業実施予定期間は2031年3月31日までです。

地方創生への意味

買い物、通院、通学に必要な移動手段は、住み続けられる地域の基盤です。新制度は、用途ごとに分かれていたスクールバス、福祉・医療・商業施設の送迎、交通事業者の人材や運行管理を、地域全体の移動課題に合わせて組み直せるようにするものです。

新しい車両や運転者を一から確保するのが難しい地域でも、既存資源の空き時間を使うことでサービスを補える可能性があります。一方、全国初の認定は持続性や利用実績を保証するものではありません。利用者数、運行コスト、学校輸送との両立、安全管理、運転者確保を継続的に検証する必要があります。

自治体・地域事業者への示唆

  • 地域の輸送資源を棚卸しする:スクールバス、病院・福祉・商業・観光施設の送迎車両について、空き時間、運転者、運行管理体制を確認します。
  • 交通空白を時間帯まで把握する:路線図だけでなく、早朝・夜間・土休日など既存サービスで対応できない時間を特定します。
  • 役割と責任を明文化する:自治体、運送主体、車両提供者、交通事業者の費用負担、安全管理、事故対応、予約・運賃管理を計画段階で整理します。
  • 本格運行後も数値で見直す:利用者数、乗合率、1便当たり費用、通院・買い物への効果、既存交通への影響を定期的に検証します。

一次資料

国土交通省「本日施行の改正地域交通法に基づき、全国初の計画を認定」
国土交通省 報道発表資料・計画概要(PDF)
関東運輸局 同時発表資料
発表日:2026年10月16日
発表主体:国土交通省

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