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関係人口
HUMAN_REVIEW Human Review
最終更新 2026-09-21
定住人口でも交流人口でもない、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人をめぐる制度と予算。
関係人口そのものの意味・定義はこちら(定義・違い・事例の解説。制度・予算はこのページ)
01
3分でわかる関係人口政策
関係人口とは何か
FACT 公的資料等から確認できる事実
関係人口とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人を指します。関わり方は、継続的な特産品購入、年数回の帰省、地域イベントへの参加、ボランティアや副業、二地域居住など様々です。
なぜ政策課題になっているのか
FACT 公的資料等から確認できる事実
地域未来戦略本部事務局は、人口が減少する中で都市と地方が相互に補完し合う共生関係を強めるため、関係人口を活かして人の循環を創る必要がある、と説明する。国会の政府答弁でも、人口減少と担い手不足を前提に、移住施策に加えて関係人口を充実させる必要があるとしている。
ANALYSIS 複数の事実をもとにした協会の分析
関わりを政策の対象にすると、自治体は住民票上の人数だけでなく、関わりの人数や濃さを計画や事業の言葉にしうる。これは制度の賛否ではなく、測り方が変わりうる、という読み方である。
現在、国は何を進めているのか
FACT 公的資料等から確認できる事実
確認時点の中核は三つに分かれる。第一に、令和8年7月21日閣議決定の地域未来戦略が、関係人口の量的拡大・質的向上とKPIを書いたこと。第二に、総務省がふるさと住民登録制度の創設準備を進めていること(政府方針・制度設計であり、法律の成立ではない)。第三に、二地域居住は別制度として、広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の改正が令和6年11月1日から施行されていること。
- 関係人口の創出・拡大地域未来戦略本部事務局 確認日 2026-09-19
- 関係人口・ふるさと住民総務省 確認日 2026-09-19
- 地域未来戦略閣議決定 発行日 2026-07-21 確認日 2026-09-19
02
POLICY MAP
FACT 公的資料等から確認できる事実
関係人口を中心に置く分類は、協会の独自樹形ではない。令和8年7月21日閣議決定『地域未来戦略』が「都市と地方の共生の実現」の下に並べた項目を、一次資料の見出しのまま示す。副業・兼業は、同章のプロフェッショナル人材のKPIとして現れる。自治体の受入体制は、2022年総合戦略の関係人口記述と対流促進事業の趣旨に現れるが、2026年本文の見出し項目そのものではない。
- 都市と地方の共生の実現(地域未来戦略)関係人口政策を含む上位の章。関係人口だけの法律名ではない。
- 関係人口の量的拡大・質的向上ふるさと住民登録の創設、創出・拡大のための環境整備、地域価値共創、空き家等を活用した二地域居住、地方へのテレワーク、棚田地域振興が並ぶ。
- ふるさと住民登録制度の創設工程は、2026年度中の開始に向けたアプリ等の開発、2027年度以降の機能充実と地方公共団体による活用。
- 関係人口の創出・拡大のための環境整備(対流促進事業)工程に「関係人口創出・拡大のための対流促進事業」が明示される。金額はBUDGETで扱う。
- 二地域居住の推進同章に「スモールコンセッションや空き家等を活用した二地域居住の推進」とある。法制は国土交通省所管の広活法改正。関係人口そのものの単立法ではない。
- 地域の担い手支援/地域交流/都市部人材地域おこし協力隊等、若者や女性の地域交流、プロフェッショナル人材事業が続く。副業・兼業は「プロフェッショナル人材戦略拠点全体における副業・兼業成約件数:4,600件(2029年度)」としてKPIに現れる。
03
今どこまで進んでいる?
FACT 公的資料等から確認できる事実
政府方針と成立済み法律は混ぜません。層ごとに一次資料の段階を分けます。
政府方針
GOVERNMENT_PLAN政府方針地域未来戦略(2026-07-21閣議決定)が、関係人口の量的拡大・質的向上、ふるさと住民登録の創設、対流促進事業、KPIを記載している。これは閣議決定であり、個別制度の施行そのものではない。
制度設計
GOVERNMENT_PLAN政府方針総務省はふるさと住民登録制度の創設を進め、制度ナビで概要を公開している。2026年6月の国会では、モデル事業と今年度中の開始準備が政府答弁で語られた。開始日の最終確定と全市区町村での実装状況は、一次資料の続報を待つ。
法律
IMPLEMENTED施行・実施「関係人口法」として整理できる単立法は、このPilotでは置いていない。一方、二地域居住等の促進に関する広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の改正は、国土交通省が令和6年11月1日施行と説明する。特定居住促進計画・特定居住支援法人・特定居住促進協議会は、この改正法の条文に置かれている。ふるさと住民登録をこの法律と同一視しない。
予算
IMPLEMENTED施行・実施関係人口創出・拡大のための対流促進事業について、一次資料に印刷された年度予算額は令和4年度1.0億円、令和5年度0.8億円、令和6年度0.7億円、令和7年度0.6億円。令和8年度は確認中。ふるさと住民登録そのものの年度額は、このPilotでは未掲出。
KPI
GOVERNMENT_PLAN政府方針KPIは「関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体数:1,200団体(2027年度)」。これは目標値であり、確認時点の本文に現在値・基準値は無い。ふるさと住民登録の全国実装は開始準備の段階として扱う。
04
政府
FACT 公的資料等から確認できる事実
何を目指しているか
地域未来戦略本部事務局は、人口減少下で都市と地方が相互に補完し合う共生関係を強めるため、特定の地域に継続的に多様な形で関わる関係人口を活かして人の循環を創る必要がある、と説明する。地域未来戦略は、関係人口の量的拡大・質的向上を「都市と地方の共生の実現」の柱に置く。
何が決まっているか
確認できる決定事項は、(1) 関係人口の創出・拡大がデジタル田園都市国家構想総合戦略(2022-12-23閣議決定)以降の戦略文書に位置づくこと、(2) 関係省庁連絡会議が置かれていること、(3) 2026年7月21日に地域未来戦略が閣議決定され、団体数KPIと濃淡別実人数KPIが本文に書かれていること、(4) 総務省がふるさと住民登録制度を創設するとしていること。
まだ決まっていないこと
まだ決まっていない、または本文から確定できないことは、(1) ふるさと住民登録の全国開始日と対象自治体の最終形、(2) 濃淡別実人数KPIの基準値・目標値(本文は2026年度中の調査結果等を踏まえて設定すると注記)、(3) 対流促進事業の令和8年度本文金額、(4) 関係人口単立法の有無。2025年6月13日『地方創生2.0基本構想』(概要)の実人数1,000万人・延べ人数1億人は、2026年本文の当該KPI欄には無い。
- 関係人口の政府定義 — 地域未来戦略本部事務局は、移住した定住人口でもなく観光に来た交流人口でもない、特定の地域に継続的に多様な形で関わる人と説明する。総務省も同趣旨の定義を掲載している。内閣官房の関係省庁連絡会議ページは、定義見出しではなく、デジタル田園都市国家構想総合戦略(令和4年12月23日閣議決定)に関係人口の創出・拡大が位置づけられたことを開催趣旨として引用している。
- 関係省庁連絡会議 — デジタル田園都市国家構想総合戦略(令和4年12月23日閣議決定)を踏まえ、関係人口の創出・拡大に関する関係省庁連絡会議が置かれている。本会議は第2回(令和5年6月28日)、幹事会は第5回(令和6年10月3日)までが公式ページに掲載されている。
- 対流促進事業 — 関係人口創出・拡大のための対流促進事業について、確認時点の地域未来戦略本部事務局ページの予算資料リンクは令和6年度・令和7年度・令和8年度である。令和4年度・令和5年度PDFは当該ページの現行リンク一覧には無いが、同一ディレクトリのURLは到達確認済み。金額の推移はBUDGETで扱う。令和8年度の本文金額は未検証のため公開しない。
- ふるさと住民登録制度 — 総務省は、住所地以外の地域に継続的に関わる人々を登録するふるさと住民登録制度を創設するとしている。詳細はPOLICY WATCHへ。
- 地域未来戦略(2026年7月21日閣議決定) — 関係人口の量的拡大・質的向上、対流促進事業、KPIを記載。詳細はPOLICY WATCHへ。
- 二地域居住の推進 — 国土交通省は、二地域居住を主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点をもうける暮らし方として整理している。定義文は地方振興の解説ページにあり、調査結果の一覧ページとはURLが異なる。関係人口の高関与形態として国会質疑でも言及がある。改正広活法は令和6年11月1日施行。詳細はPOLICY WATCHへ。
05
法律・制度
FACT 公的資料等から確認できる事実
関係人口そのものを対象とする単立法は、確認時点の一次資料では置いていない。政策の本体は、閣議決定、省庁の制度設計、予算事業、隣接する居住法制の組み合わせである。
二地域居住については、国土交通省が「主な生活拠点とは別の特定の地域に生活拠点をもうける暮らし方」と定義する。国会では、関与度の高い関係人口の形態として言及がある。
令和6年改正の広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律は、市町村が特定居住促進計画を作成できること(第22条)、特定居住促進計画の作成・実施等を協議する特定居住促進協議会を組織できること(第23条)、市町村長が特定居住支援法人を指定できること(第28条)を定める。施行は国土交通省資料によれば令和6年11月1日。
特定居住促進計画は、都道府県の広域的地域活性化基盤整備計画の送付を受けた市町村が作成できる計画であり、全国自動適用ではない。特定居住支援法人は、NPO・一般社団財団その他の非営利法人または特定居住の促進を目的とする会社を、市町村長が指定する中間支援の仕組みである。特定居住促進協議会は、市町村が組織できる協議体であり、全国二地域居住等促進協議会(のち官民連携プラットフォームへ改組)とは条文上の別物である。
- 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律(平成19年法律第52号)e-Gov法令検索 確認日 2026-09-21特定居住促進計画(第22条)、特定居住促進協議会(第23条)、特定居住支援法人(第28条)を条文で確認。
- 広域的地域活性化法・二地域居住等の促進にかかるガイドライン等国土交通省国土政策局 確認日 2026-09-21改正法の掲載、特定居住支援法人の指定等の手引き、市町村向け特定居住促進計画の参考様式を確認。
- 地方振興:二地域居住の推進(定義)国土交通省国土政策局地方政策課 確認日 2026-09-19
06
KPI
FACT 公的資料等から確認できる事実
- 公式KPI
- 関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体数:1,200団体(2027年度)
- 何の数か
- 数えているのは関係人口の実人数ではない。関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体の数である。国の戦略KPIであり、協会独自指標ではない。
- いつまでか
- 地域未来戦略(2026年本文)の印刷は「1,200団体(2027年度)」である。2022年デジタル田園都市国家構想総合戦略の「2027年度まで」という印刷と混ぜない。
- 現在値は確認できるか
- 確認時点の2026年本文に、基準値・現在値は無い。濃淡別実人数の基準値及び目標値も、2026年度中に実施予定の調査の結果等を踏まえて設定すると注記がある。
ANALYSIS 複数の事実をもとにした協会の分析
測っているのは「取り組む団体があるかどうか」に近い行政の取組カバーである。関わりの質や実人数は、別KPI「関係人口の濃淡別実人数:増加(2030年)」側の話になる。KJA DATAの関係人口推計(調査条件付き)と、この団体数KPIと、将来のふるさと住民登録数は、同じ数字として足してはならない。
- 地域未来戦略閣議決定 発行日 2026-07-21 確認日 2026-09-19
07
BUDGET
FACT 公的資料等から確認できる事実
対流促進事業について、一次資料に印刷された年度予算額は、確認できた範囲で令和4年度1.0億円、令和5年度0.8億円、令和6年度0.7億円、令和7年度0.6億円です。印刷は「当初」ではなく「年度予算額」です。令和4年度補正予算額1.0億円は令和5年度資料に記載があります。令和8年度はPDFのURLを確認し、本文金額は未検証のため表示しません。
08
DIET
FACT 公的資料等から確認できる事実
関係人口について国会で確認できた委員会質疑と政府答弁です。発言の一部を政党の立場の断定には使いません。
- 2026-06-09 参議院総務委員会 政府答弁 林芳正 — 国勢調査結果を踏まえた人口減少と関係人口・ふるさと住民登録制度
- 2026-06-09 参議院総務委員会 質疑 岡崎太 — 離島振興における関係人口・二地域居住
- 2026-06-11 衆議院総務委員会 質疑 古井康介 — ふるさと住民登録制度と関係人口の可視化
- 2026-06-11 衆議院総務委員会 政府答弁 恩田馨 — ふるさと住民登録制度の概要(政府答弁)
- 2026-07-07 参議院内閣委員会 質疑 牛田茉友 — 航路・航空路運賃の低廉化と交流人口・関係人口、滞在型観光(離島関連)
09
PARTIES
優劣はつけません。公式資料で『関係人口』の語が確認できた党と、未確認の党を同じフォーマットで並べます。
「未確認」は、確認対象とした一次資料から該当する記載を確認できていない状態を示します。政策への賛否を示すものではありません。
10
LOCAL
ANALYSIS 複数の事実をもとにした協会の分析
国が自治体に求めていることの中心は、関係人口の創出・拡大に「取り組む」ことである。KPIの1,200団体は、その取組の広がりを測る目標値である。
ふるさと住民登録が始まると、住所地以外の関わりをアプリで登録・可視化する全国共通の仕組みが用意される、と総務省は説明する。自治体は、登録者への情報発信や担い手としての関わりしろを、受入側として設計する必要が出てくる。開始前のいまは、制度ナビと国会答弁が一次資料になる。
二地域居住側では、市町村は特定居住促進計画を作り、特定居住支援法人を指定し、特定居住促進協議会を組織することができる。これはできる規定であり、全市町村の義務ではない。住まい・なりわい・地域住民との交流の環境整備が、広活法改正の趣旨として国土交通省資料に書かれている。
使える制度を混同しないこと。対流促進事業は関係人口創出・拡大の国の事業、ふるさと住民登録は総務省の登録制度(準備中)、特定居住の計画・法人・協議会は広活法上の二地域居住促進の仕組みである。
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KJA DATA
関係人口の人数は、調査の定義・対象・方法・年で変わります。制度の登録数と調査推計を同一視しません。
ランキングは都道府県の政策実装を協会指標で比較するものであり、政党の優劣ではありません。
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Dictionary
言葉そのものを確認したい場合は、地域創生用語辞典へ戻ります。
13
関連POLICY WATCH
- ふるさと住民登録制度 GOVERNMENT_PLAN政府方針
- 地域未来戦略における関係人口の位置づけ GOVERNMENT_PLAN政府方針
- 二地域居住促進法制(広活法改正) IMPLEMENTED施行・実施
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一次資料
- 関係人口の創出・拡大に関する関係省庁連絡会議内閣官房 確認日 2026-09-19
- 関係人口の創出・拡大地域未来戦略本部事務局 確認日 2026-09-19
- 関係人口・ふるさと住民総務省 確認日 2026-09-19
- ふるさと住民登録制度ナビ(制度の概要)総務省 確認日 2026-09-19
- 地域未来戦略閣議決定 発行日 2026-07-21 確認日 2026-09-19
- 地方創生2.0基本構想(概要)閣議決定 発行日 2025-06-13 確認日 2026-09-19
- デジタル田園都市国家構想総合戦略閣議決定 発行日 2022-12-23 確認日 2026-09-19
- 関係人口創出・拡大のための対流促進事業について(令和7年度予算)地域未来戦略本部事務局(掲載) p.1 確認日 2026-09-19
- 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律(平成19年法律第52号)e-Gov法令検索 確認日 2026-09-21特定居住促進計画(第22条)、特定居住促進協議会(第23条)、特定居住支援法人(第28条)を条文で確認。
- 広域的地域活性化法・二地域居住等の促進にかかるガイドライン等国土交通省国土政策局 確認日 2026-09-21改正法の掲載、特定居住支援法人の指定等の手引き、市町村向け特定居住促進計画の参考様式を確認。
- 地方振興:二地域居住の推進(定義)国土交通省国土政策局地方政策課 確認日 2026-09-19